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芥川竜之介

結婚で選んだはずの幸福の外側に、言えなかった感情がじわじわ滲み出してくる。
🍂 女子大時代、信子は将来有望の才女
信子
小説書きたい。けど先に結婚の話か…現実つよい
👩
🧑
俊吉
まあまあ。世の中、理想だけじゃ回らないってやつ
👧
照子
お姉様、今日も一緒にお出かけでしょ?
※この三人、見た目はだいたい青春。中身はもう少しややこしい
信子
展覧会いこ。照子もね
👩
🧑
俊吉
了解。僕は気の利いた皮肉だけ持っていく
※だいたいこういう男は厄介だが、妙に刺さる
💍 ところが信子、俊吉ではなく大阪の会社員と結婚
👧
照子
お姉様、ほんとに行っちゃうの…
信子
大丈夫。また手紙書くから
👩
※笑顔で旅立つ人ほど、荷物が多い。心のほうの
✉️ 大阪の新居で、照子の手紙を読み返す日々
👧
照子
お姉様、私のために無理したんじゃないよね…でも、そう思えてしまうの
信子
……
👩
※否定しきれない時、人はだいたい黙る
🏠 大阪での新婚生活スタート
👔
今日もお疲れ。最近の小説ってそんな感じなんだ
信子
そうそう。人の生き方とか、心の動きとかね
👩
👔
ふーん
※会話は成立している。噛み合っているかは別問題
信子
私もまた書いてみようかな
👩
👔
お、ついに作家デビュー?
🖋️ でも原稿は進まない
信子
書けない…というか、心がどこかに引っかかってる
👩
👔
襟ないの? 小説ばっかじゃ困るんだけど
信子
……ごめんなさい
👩
👔
家計ももう少し考えないとね
※夢と生活費が真正面からぶつかると、だいたい生活費が勝つ
信子
もう小説なんて書かない…
👩
🌙 夜、泣いてしまう
👔
また大げさだなあ
※悪い人ではない。だが、そこがまた話を簡単にしてくれない
📚 秋が深まり、俊吉の小説が雑誌に載り始める
信子
俊さん、ちゃんと書いてるんだ…しかも前より少し寂しい文になってる
👩
信子
なんでこんなの気になるんだろ
👩
💌 さらに、照子と俊吉の結婚が決まる
👧
照子
お姉様、私、俊さんと結婚することになったの!
信子
ほんとに? おめでとう
👩
※祝福の文章は長く書ける。気持ちはそうでもない時がある
❄️ 結婚式の日、信子は大阪でひとり雪を眺める
信子
東京も雪かな
👩
※魚のにおいだけが残る昼。妙に現実的で、妙にさびしい
🚃 翌年秋、信子は東京へ。妹夫婦の家を訪ねる
🧑
俊吉
やあ。今日来るとは思わなかった
信子
久しぶり。照子は?
👩
🧑
俊吉
おつかい中。今は僕だけ
※空気が一気にむずかしくなる。秋はこういう演出がうまい
信子
相変わらず散らかってる部屋ね
👩
🧑
俊吉
創作の地層ってことで
👧
照子
お姉様! 来てくれたの!
🍷 三人で食卓、夜は長くなる
🧑
俊吉
人間の暮らしって、結局なにかをもらって成り立ってるよね
👧
照子
また難しいこと言ってる。でも卵いちばん食べるの俊さんじゃん
信子
それはほんと
👩
※笑っているのに、誰の胸にも小骨みたいなものが刺さっている
🌕 夜、庭に月。信子と俊吉がふたりで出る
🧑
俊吉
月、きれいだな
信子
草、伸びっぱなしね
👩
🧑
俊吉
鶏小屋、見てみる?
🐔 眠る鶏たち。卵は人に取られる
※言葉にしないほうが、むしろ伝わる夜もある。やっかいだが
翌朝、俊吉は外出。姉妹だけになる
信子
俊さん、まだ帰らないのね
👩
👧
照子
まだでしょ
信子
照さんは幸せね
👩
👧
照子
お姉様だって幸せのくせに
信子
……そう見える?
👩
💧 空気が変わる
👧
照子
でも、お義兄さんは優しいんでしょ?
信子
……
👩
👧
照子
お姉様、ごめん…でも、昨夜も……
※姉妹の会話、ついに心の地下室を開けてしまう
信子
照さんが幸せなら、それでいいって思ってる。本当に
👩
👧
照子
そんなこと言われたら、余計つらいよ…
🚕 信子、俊吉を待たずに帰る
信子
もう前みたいには戻れないのかも
👩
🪟 車窓の向こうに俊吉の姿
信子
俊さん……
👩
※呼べる距離。呼べない関係
信子
……秋だな
👩
  • 言えない気持ちは季節みたいに積もる
  • 優しさだけでは解決しない
  • 姉妹と恋と結婚は静かにこじれる

芥川竜之介『秋』のあらすじ

才気ある女性・信子は、従兄の俊吉と親しくしながらも、別の男性と結婚して大阪へ移り住む。新婚生活は穏やかに始まるが、創作への未練や夫との小さなずれ、妹・照子からの思いが、信子の心に静かな影を落としていく。やがて照子が俊吉と結婚し、信子は久しぶりに東京で二人の新居を訪ねる。再会した姉妹と俊吉のあいだで、これまで伏せられていた感情が少しずつ表ににじみ出る。

』の作者について

芥川龍之介(1892-1927)は、大正期を代表する小説家で、『羅生門』『鼻』『地獄変』などで知られる。古典や説話をもとにした作品だけでなく、近代的な心理の揺れや都会的な感覚を描く作品にもすぐれ、この『秋』では姉妹と結婚をめぐる繊細な感情のずれを静かに掘り下げている。人間の自意識や、言葉にならない感情の陰影を描く巧みさがよく表れた一作である。

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