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英雄の器

芥川竜之介

勝者の宴で語られる敗者の評価が、最後の一言でひっくり返る――英雄とは何かを鋭く問い直す一篇。
🏕️ 勝戦の夜、漢軍の幕営
呂馬通
いやーでもさ、項羽って強いけど、英雄の器ではないよね
🧔
※勝った直後なので、みんなちょっと口が軽い
👑
劉邦
ほう。そう言い切る?
呂馬通
強さはガチです。今日もこっち、かなり危なかったし
🧔
呂馬通
でもさ、烏江まで追いつめられて、まだ逃げ道あったんでしょ?
🧔
呂馬通
そこは船乗って立て直せよって話じゃん
🧔
呂馬通
面子とか気にしてる場合じゃないでしょ。生きてまたやればいい
🧔
👑
劉邦
つまり英雄って、計算できるやつってこと?
※周囲、うっすら笑う。王の返しが地味に鋭い
呂馬通
いや、そこだけじゃないですって
🧔
呂馬通
項羽、自分が滅ぶのは天のせいだって言ったらしいんですよ
🧔
呂馬通
いやいや、天も『知らんがな』でしょ
🧔
※責任の押し先が壮大すぎる
呂馬通
戦って負けたなら、自分の力不足もあるわけじゃないですか
🧔
呂馬通
なのに全部『天命です』でまとめるのは、ちょっと違うと思うんですよね
🧔
呂馬通
英雄って、むしろ天に逆らってでも戦うもんじゃないですか?
🧔
🕯️ 幕営がしんと静まる
👑
劉邦
……その言葉、本当に項羽が?
呂馬通
ええ、そう聞いてます
🧔
呂馬通
弱いですよ。少なくとも、男らしくはない
🧔
呂馬通
天命を知ってもなお戦う、それが英雄でしょ?
🧔
👑
劉邦
そうだな
呂馬通
でしょ? なら項羽は――
🧔
🍂 外は秋の夜、灯が揺れる
👑
劉邦
だからこそ、英雄の器だったんだよ
※場が一瞬で凍る。勝った側なのに、いちばん相手をわかってるの王だった
  • 英雄は損得だけでは測れない
  • 敵を理解する者が本当に強い
  • 天命を知ってなお戦う姿に価値がある

芥川竜之介『英雄の器』のあらすじ

漢軍が項羽を討ち取った夜、幕営では将軍の呂馬通が「項羽は英雄の器ではない」と語り出す。彼は、項羽が逃げて再起する道を選ばず、さらに自らの滅亡を天命のせいにしたことを批判する。周囲がその意見にうなずく中、劉邦だけは静かに話を聞き続ける。そして最後に、英雄の本質をめぐる見方を鮮やかに反転させる一言を放つ。

英雄の器』の作者について

芥川龍之介(1892-1927)は、大正期を代表する小説家で、『羅生門』『鼻』『地獄変』などで知られる。中国の古典や歴史への深い関心を持ち、短い作品の中で人間心理や価値観の逆説を鮮やかに描いた。『英雄の器』でも史実や伝説を素材にしながら、勝者と敗者、現実と理想のずれを鋭く浮かび上がらせている。

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