Monogatalk物語 × 対話

芥川竜之介

見た目の悩みをこじらせた僧が、鼻をめぐる騒動の中で“他人の目”のやっかいさに振り回されていく。
⛩️ 池の尾の寺。みんなが知ってる“鼻で有名な僧”がいる
禅智内供
誰も口に出さないでほしいんだけど、わしの鼻、長すぎん?
🧘
※本人は“気にしてない顔”を全力でしているが、内心めちゃくちゃ気にしている
📿
弟子の僧
いや、かなり存在感ありますね……
禅智内供
食事のたびに鼻が茶碗にダイブしそうで落ち着かんのよ
🧘
🍚 食事中は弟子が板で鼻を持ち上げるシステム
📿
弟子の僧
前に別の子がくしゃみして、危うくおかゆに着地しかけましたしね
※寺の珍事件としてしっかり広まっている
禅智内供
鏡の角度でなんとか短く見えんか…この角度…いや逆に目立つ…
🧘
※毎日ひそかに“盛れ角度”を探している
禅智内供
ほかに似た鼻の人、おらんのか…仲間が一人でもいれば…
🧘
👀 内供、会う人会う人の鼻だけをチェック
禅智内供
曲がった鼻はある。だが、わし級のロングはおらん…
🧘
禅智内供
昔のえらい人の記録にも、こういう鼻の人おらんの? せめて前例をくれ
🧘
※共感より“前例”がほしいタイプ
禅智内供
いろいろ試したぞ。変なお茶みたいなの飲んだり、民間療法っぽいやつとか
🧘
禅智内供
でも鼻、びくともせん
🧘
🏙️ ある秋、弟子が京都から“鼻対策”を持ち帰る
📿
弟子の僧
先生、鼻を短くする方法、聞いてきました
禅智内供
ふーん。別に急がんけど? 鼻なんて気にしてないし?
🧘
※めちゃくちゃ気にしてる人のテンプレ反応
📿
弟子の僧
いや絶対やった方がいいです。かなり本気でおすすめです
禅智内供
そこまで言うなら…まあ…弟子の手間も減るし…?
🧘
♨️ 治療法:鼻を熱い湯につけて、踏む
禅智内供
待って、その説明さらっと言ったけど、だいぶ攻めてない?
🧘
📿
弟子の僧
大丈夫です。鼻だけ湯に入れます。顔は守ります
🪵 板に穴をあけて、鼻だけお湯へイン
📿
弟子の僧
そろそろいい頃ですね
※文だけ見ると何の会話かわからない
📿
弟子の僧
では踏みますね。痛くないですか?
禅智内供
痛くはない。なんか変にむずむずする
🧘
※本人の尊厳はちょっと削られている
📿
弟子の僧
なんかつぶつぶ出てきました。これ抜けばいいらしいです
禅智内供
わしの鼻、完全に修理中の道具みたいな扱いになってない?
🧘
二度の処置を終え、ついに確認タイム
📿
弟子の僧
先生、鏡どうぞ
禅智内供
え、短っ。普通の鼻っぽい! これもう勝ちでは?
🧘
※ここ数年でいちばん機嫌がいい
禅智内供
今日は何回でも鼻さわる。ちゃんと短い。最高
🧘
😶 ところが周囲の反応がなんか変
🪭
……いや、前より見ちゃうなその鼻
🧒
中童子
ぷっ……すみません、でもなんか前よりおもしろいです
※長いときより、短くなってからの方が遠慮なく笑われる
禅智内供
え、なんで? 改善したのに評価下がることある?
🧘
禅智内供
前はまだ気をつかってたよな、みんな…今は普通に笑ってくる…
🧘
※人は他人の不幸には同情するが、そこから抜け出されると少し面白くなくなる。めんどくさい生き物である
禅智内供
最近ちょっとしたことでイラつく…
🧘
🐕 中童子、犬を追いかけながら鼻ネタでふざける
🧒
中童子
ほら逃げろー、鼻に当たるぞー!
禅智内供
その板、もともとわしの鼻サポート用だったやつでは!?
🧘
※過去の黒歴史アイテムが再登場してしまった
禅智内供
もう、短くなったこと自体が腹立ってきた…
🧘
🌬️ ある寒い夜、鼻にむずむずした違和感
禅智内供
無理やり短くしたせいで、調子悪くなったか…?
🧘
🌅 翌朝、秋の冷たい空気の中で確認
禅智内供
……戻ってる。完全に元の長さに戻ってる
🧘
禅智内供
え、なんか今めっちゃ心が晴れてるんだが
🧘
※結局いちばん安心したのは、“元の自分”に戻った瞬間だった
禅智内供
こうなれば、もう誰も笑うまい。たぶん。いや、前よりはマシ
🧘
  • 人の視線は案外わがまま
  • 悩みが消えても心はすぐ晴れない
  • 他人と比べるほど苦しくなる

あらすじ

禅智内供は、人に知られまいとしながらも、自分の長い鼻を深く気にしている僧である。食事にも不便し、鏡を見たり他人の鼻を観察したり、さまざまな方法で気持ちを落ち着かせようとするが、うまくいかない。やがて弟子が京都で聞いてきた方法で鼻を短くすることに成功するものの、周囲の反応は思いがけず冷たく、内供の心はかえって荒れていく。そしてある朝、鼻は再び元の長さに戻り、内供は不思議な安堵を覚える。

作者について

芥川龍之介(1892-1927)は大正期を代表する短編小説の名手で、『羅生門』『芋粥』『地獄変』などで知られる。古典や説話をもとにしながら、人間の自意識や皮肉な心理を鋭く描く作風が特徴である。『鼻』は初期の代表作の一つで、古い説話を下敷きにしつつ、見た目への執着と他人の視線という普遍的なテーマを鮮やかに描いている。

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