芋粥
ずっと焦がれていた願いがいざ叶うと、思っていたほど幸福ではない――その皮肉と人のさみしさが胸に残る一作。
🏯 平安の役所まわり
※今日の主人公は、職場でほぼ空気あつかいされている侍です
五位
……今日も誰にも話しかけられんのう
👘
🧑
同僚たち
お、五位きた。いつものいじりタイム?
五位
いけぬのう、お身たちは
👘
※怒らない。反撃もしない。ただ少しだけ相手の良心に刺さる
🐕 道ばた
五位
その犬、もう許してやってくれんかのう。痛いじゃろ
👘
🧒
子ども
えー、急にいい人ぶるの?
🧒
子ども
いらん世話だし
※大人にも子どもにも、世間はだいたい塩対応
🍲 正月のごちそう会
五位
芋粥じゃ……
👘
五位
これを腹いっぱい食べるの、人生の夢なんじゃが
👘
🏹
利仁
え、そこ夢なん?
🏹
利仁
じゃあ俺が飽きるほど食わせたるわ
五位
いや……ありがたきことで……
👘
※周囲、しっかり笑う。だが本人はわりと本気
🐎 数日後、なぜかお出かけ
🏹
利仁
東山のほうに、いい湯がある。行こうぜ
五位
湯まで入れて芋粥まで?今日はサービスが厚いのう
👘
五位
……あれ、東山まだ?
👘
🏹
利仁
もうちょい先
五位
山科も過ぎたんじゃが?
👘
🏹
利仁
気のせい気のせい
五位
いや全然気のせいではないのう!?
👘
🏹
利仁
実は敦賀まで行く
五位
話がでかい!!
👘
五位
東山の散歩ぐらいの気持ちで来たんじゃが!?
👘
🏹
利仁
安心しろ。俺がいれば千人分
※雑な安心材料だが、この男が言うと妙に強い
🦊 道中の野原
🏹
利仁
ちょうどいい。使いを出すか
五位
……使い?どこに?
👘
🏹
利仁
おい狐、家に行って『明日迎えをよこせ』って伝えてこい
五位
狐に???
👘
※この人、ノリで超常現象を業務連絡に使う
🌫️ 翌日・湖のほとり
🙇
家来
昨夜、奥方が急に狐みたいになって、その伝言をそのまま言いました
五位
ほんとに届いとる……
👘
🏹
利仁
だから言ったろ。獣もわりと働く
※五位、ここで完全に『この人すごい』モードに入る
🌙 利仁の館の夜
五位
明日ついに芋粥食べ放題か……
👘
五位
いや、待て。長年の夢が急に叶うの、なんか落ち着かんのう
👘
※欲しかったはずなのに、近づくとちょっと怖い。人間あるある
🥔 翌朝、庭
五位
えっ
👘
五位
芋、多すぎん?
👘
※庭に山。鍋も巨大。もう『食事』というよりイベント会場
🏹
利仁
今日は遠慮すんなよ。飽きるまでいけるぞ
五位
見ただけで、ちょっと胸いっぱいになってきたんじゃが
👘
🍲 実食
🧓
有仁
さあどうぞ。たっぷりあるぞ
五位
では……いただきます……
👘
五位
……もう十分でござる
👘
🏹
利仁
え、まだ全然あるけど?
五位
夢って、量が現実になると急に重いのう……
👘
※『飽きるほど食べたい』と『本当に飽きるまで出てくる』は別物です
🦊 そこへ例の狐
🏹
利仁
お、昨日の使者じゃん。お前にも芋粥やるわ
五位
……昔のわしは、これを夢見ておったのう
👘
五位
足りない時が、いちばんおいしかったのかもしれん
👘
💨 くしゃみ
- ▶欲望は叶う直前がいちばん甘いことがある
- ▶満たされすぎると魅力はしぼむ
- ▶人のさみしさは笑いの奥にある
芥川竜之介『芋粥』のあらすじ
周囲から軽んじられて生きる五位には、ただ一つ「芋粥を飽きるほど食べたい」というささやかな願いがあった。ある日、その願いを聞いた豪胆な武人・藤原利仁が、五位を自分の館へ連れ出し、盛大にもてなそうとする。道中では利仁の豪放さと不思議な力に圧倒されながら、五位は夢の実現へ近づいていく。しかし、いざ望みが現実の量と形を持って目の前に現れると、五位の心には思いがけない変化が起こる。
『芋粥』の作者について
芥川龍之介(1892-1927)は、大正期を代表する短編小説の名手で、古典や説話をもとに人間心理を鋭く描いた作品で知られる。『羅生門』『鼻』などでも、滑稽さと残酷さが同居する人物造形を得意とした。『芋粥』は初期の代表作の一つで、平安時代の説話を下敷きにしながら、欲望の皮肉と弱い立場の人間の哀感を近代的な視点で描いている。
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