Monogatalk物語 × 対話

羅生門

芥川竜之介

追いつめられた夜、人はどこまで自分の正しさを手放せるのか――荒れた門の上で善悪が反転しはじめる。
🌧️ 夕方、荒れ果てた羅生門。雨宿り中。
下人
終わった…仕事クビ。家もない。雨まで降ってる。
🧥
※人生の通知、いま全部オフにしたい顔
下人
このままだと普通に詰むんだが。どうする俺。
🧥
🏚️ 門の上には、誰にも片づけられない遺体が放置される場所になっていた。
※都の治安、かなりまずい
下人
まじめに生きてもごはん出ないし…もう盗みしかない? でもそこまで振り切れん…
🧥
🪜 雨風しのげそうな門の上へ。
下人
上なら寝られるかも。まあ人がいても…たぶんもう動かない人だろ。
🧥
🕯️ 上から、ぼんやり火の光。
下人
え、誰かいる!? それは聞いてない。
🧥
※ホラーの入口で急に現実になるやつ
👵 白髪の老婆が、遺体の髪を一本ずつ抜いていた。
下人
うわっ、なにしてんの!? それはさすがに無理!!
🧥
※さっきまで盗みを考えてた人、急に正義モード起動
下人
おい、正直に言え。ここで何してた。
🧥
🪶
老婆
この髪を抜いて、かつらにするんじゃよ。売れば少しは食える。
下人
いや、それはさすがにひどくない?
🧥
🪶
老婆
ひどい? でものう、ここにおる人らも、生きてる時はきれいごとだけじゃなかった。
🪶
老婆
今髪を抜いた女だって、食うために人をだまして商売しとった。
🪶
老婆
わしも同じじゃ。そうせねば飢えてしまう。仕方ないんじゃよ。
※『生きるためならどこまで許される?』という重すぎる話が始まった
下人
……仕方ない、か。
🧥
※ここで下人の中の何かが、嫌な方向にカチッとハマる
下人
なるほどね。じゃあ確認。生きるためなら、やるしかないって話だよな?
🧥
🪶
老婆
……え?
下人
じゃ、俺がお前の服をもらっても恨むなよ。俺も食わなきゃ終わる。
🧥
🪶
老婆
ちょ、おま…!
💨 下人、老婆の服を奪って一気に梯子を駆け下りる。
※倫理のバトン、最悪の形で受け渡された
🌑 外は真っ暗な夜。下人は闇へ消える。
🪶
老婆
……行きおったか。
※誰が悪い、で片づかないのがこの話のしんどいところ
  • 極限では善悪の線が揺らぐ
  • 正しさは状況で崩れる
  • 生きるための理屈は人を変える

あらすじ

仕事を失った下人は、雨宿りのために荒れ果てた羅生門の下に立ち尽くしていた。行き場もなく、盗みをするしかないのかと迷う中、門の上に人の気配を見つけて様子をうかがう。そこには、遺体の髪を抜いて売ろうとする老婆がいた。下人はその行いに怒るが、老婆の語る『生きるためには仕方がない』という理屈を聞き、自分の中のためらいを別の方向へ変えてしまう。

作者について

芥川龍之介(1892-1927)は、大正期を代表する短編小説の名手で、古典や説話をもとに人間心理を鋭く描いた。『羅生門』は『今昔物語集』を下敷きにしながら、荒廃した都を背景に、極限状態で揺れる倫理と生存の論理を鮮烈に描いた初期の代表作である。のちの『鼻』『地獄変』などにも通じる、皮肉と緊張感に満ちた作風がすでに表れている。

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