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山椒大夫

森鴎外

引き裂かれた家族の痛みを抱えた少年が、過酷な運命の中で人の情けと希望をつなぎ直していく。
🍂 母と安寿、厨子王、女中の姥竹が旅の途中
👧
安寿
早くお父さまのところ行きたいね…
厨子王
まだ山も川も海もあるって。旅、ぜんぜん終わらんやつだよ
🧒
👩
毎日ちゃんと歩けば、きっと着くよ
※この時点では、まだ世界がそこまで悪意マシマシだとは思っていない
🧺
潮汲み女
このへん、旅人を泊めるの禁止なんですよ。人さらい対策とかで
👵
姥竹
対策の向き、完全に逆では…?
🧺
潮汲み女
橋の下なら風よけになります。夜に藁も持っていきますね
👩
ありがたいです。子どもだけでも休ませたいので
🌉 橋の下で野宿モード
※親切がしみる夜ほど、だいたい次の展開がこわい
🚣
山岡大夫
こんな所で寝るのは危ないですよ。うちで芋がゆでもどうです?
👩
そんなありがたいことが…!
👵
姥竹
……なんか話うますぎません?
※この作品、怪しい人がだいたいちゃんと怪しい
🏠 その夜、山岡大夫の家へ
🚣
山岡大夫
陸路は危ないです。船なら安全。明日の朝、乗せましょう
👩
助かります…
🚣
山岡大夫
あとその大事な袋、預かっときますね
※不安ポイント加算中
🌊 翌朝、海へ
🚣
山岡大夫
はい、二手に分かれて別の舟へどうぞ
👩
え、同じ港に着くんですよね?
🛶
船頭
まあまあ、着く先は同じみたいなもんで
👧
安寿
お母さま!?
厨子王
お母さまーー!!
🧒
👩
安寿、厨子王、離れないで…!
👵
姥竹
こんなのだめです、戻ってください…!
※ここから一気に地獄便
⛓️ 安寿と厨子王、山椒大夫のもとへ売られる
🏯
山椒大夫
ふーん、細い子どもだな。まあ働いてもらうか
🦅
三郎
まずは姉が潮くみ、弟が柴刈りでいいでしょ
👧
安寿
……
厨子王
……
🧒
※名乗る気力すらないのに、労働メニューだけは即決
🌲 安寿は浜、厨子王は山へ
厨子王
柴ってどうやって刈るの…指切った…
🧒
🪵
見てられん。こうやるんだよ。ほら一荷ぶん手伝っとく
👧
安寿
潮って、え、杓ごと波に持ってかれた
🌸
小萩
はい拾った。汲み方教えるね
🌸
小萩
つらいけど、話せる相手くらいにはなるよ
※地獄にもたまに人のぬくもりが落ちている
👧
安寿
死んでも弟とは別れたくない
厨子王
ぼくも
🧒
🏯
山椒大夫
そんなの知らん。分けろ
🪶
二郎
いや、別れて死なれても損だし。一緒の小屋でいいです
※情ではなく損得。でもゼロよりは救い
👧
安寿
もし逃げるなら…二人じゃなくて、あんた一人
厨子王
え?
🧒
🦅
三郎
はい今の聞いた。逃亡相談な?
👧
安寿
違います、できもしない話で気をまぎらわせてただけです
厨子王
ほんとにそうです…
🧒
※監視社会、会話の自由がなさすぎる
❄️ 冬を越える
🌸
小萩
糸つむぎ、こうやるんだよ。ゆっくりでいいから
👧
安寿
ありがとう…
厨子王
姉さん、最近ずっと何か考えてるよね
🧒
👧
安寿
大丈夫よ
※大丈夫と言う人、だいたい大丈夫ではない
🌱 春、安寿が突然動く
👧
安寿
お願いです。弟と同じ山仕事にしてください
🪶
二郎
…そこまで言うなら取りなしてみる
🔨
奴頭
山仕事に行くなら髪を切るってさ…すまんね
👧
安寿
いいです。切ってください
厨子王
姉さん…
🧒
※覚悟を決めた人だけが出せる、静かな強さがある
⛰️ 姉弟、久しぶりに一緒に山へ
厨子王
一緒に歩けて嬉しいはずなのに、なんか胸が苦しい
🧒
👧
安寿
厨子王、よく聞いて。都へ逃げて
厨子王
ぼくだけ!?
🧒
👧
安寿
そう。都なら道がひらける。父さまのことも、母さまのことも、きっと探せる
厨子王
でも姉さんは…
🧒
👧
安寿
わたしは耐える。だから迎えに来て
👧
安寿
このお地蔵さま、預けるね。わたしだと思って持ってて
厨子王
……わかった。絶対に生きのびる
🧒
💧 湧き水で別れの杯
👧
安寿
これ、門出のお祝い
厨子王
行ってきます。必ず戻る
🧒
※短い会話なのに、人生の重さが全部乗っている
⛩️ 厨子王、寺へ逃げ込む
🦅
三郎
逃げたやつ出せー!寺の中にいるだろ!
🧘
曇猛律師
寺をどこだと思っている。ここで乱暴する気なら、そっちが困るぞ
🦅
三郎
くっ…
※理屈と貫禄で殴るタイプの強者
🧘
曇猛律師
お前はここを出て都へ行け。守りを大切にな
厨子王
はい…!
🧒
🏛️ 都で運命が動く
🎐
関白師実
そのお地蔵さま、ただものじゃないな。君、どこの子だい
厨子王
父を探す旅で、母と姉と生き別れました
🧒
🎐
関白師実
よし、うちに来なさい。身元も力も、こっちで整える
※人生、たまに急にSSR救済イベントが来る
📜 成長した厨子王、名を正道とする
厨子王
丹後では人の売り買いを禁止する
🧒
🌸
小萩
……やっと、時代が少し追いついた感じ
※あの地獄にルール変更を叩き込むの、強すぎる
🏝️ 佐渡で母を探す
厨子王
お母さま、どこにいるんだ…
🧒
👩
安寿恋しや、厨子王恋しや…
厨子王
……この声……!
🧒
🌾 粟を見張る盲目の母
厨子王
お母さま!!
🧒
👩
……厨子王?
厨子王
迎えに来たよ
🧒
👩
よく…よく生きていてくれたね…
※長すぎる地獄のあとに来る再会、破壊力が高すぎる
  • 理不尽な世でも、人の情けは消えない
  • 弱い立場の痛みを知った者が世を変える
  • 別れは深くても、願いは道をつくる

森鴎外『山椒大夫』のあらすじ

父を探す旅に出た母子三人と女中の姥竹は、道中で人さらいにだまされ、母は佐渡へ、姉の安寿と弟の厨子王は丹後の山椒大夫のもとへ売られてしまう。過酷な労働の中でも姉弟は支え合うが、安寿は弟だけでも逃がそうと決意し、厨子王を都へ向かわせる。寺の僧や都の有力者に助けられた厨子王は成長して力を得て、人身売買を禁じる決断を下す。やがて彼は佐渡へ渡り、長く離れ離れだった母を探し続ける。

山椒大夫』の作者について

森鴎外(1862-1922)は明治から大正にかけて活躍した小説家・評論家・陸軍軍医で、歴史小説と知的な文体で知られる。『山椒大夫』は中世説話をもとにしながら、人身売買や権力の残酷さ、そこに抗う人間の尊厳を描いた代表的な歴史小説の一つ。鴎外は晩年、古典や史料に材を取りつつ、近代的な倫理観や社会へのまなざしを作品に織り込んだ。

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