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着物

芥川竜之介

人は他人の表現を好き勝手に論じるが、その批評の姿まで含めて、結局みな自分の着物をさらしている。
💭 夢の中、着物トーク会場
※服の話をしているようで、たぶん服の話だけではない。
🧑‍🏫
若い先生
君のフロック、ちょい古いね。時代止まってない?
🧑
客A
その結城っぽいやつ、味あるじゃん。人間くさくて好き。
👔
客B
その羽織、きれいだけど心の動き見えなくない?
🕴️
客C
あの紺の背広、妙に小市民っぽくて逆に完成度高い。
🙋
客D
え、そんな帯するの?急に落語家みたいじゃん。
🧥
客E
その大島っぽいの着ると、都会育ちのお坊ちゃん感あるな。
※会場の空気、試着室というより公開レビュー地獄。
🪑 末席にやせた男がいる
🧑‍🏫
若い先生
君の着物、相変わらず遊んでるね。まじめにやる気ある?
※言ってる本人も白い法服みたいな服で、だいぶクセ強め。
やせ男
……はは。
🧍
💪
豪傑
いつも同じ着物じゃ、そりゃ話も広がらないでしょ。
※なお豪傑のえり元も、かなり年季が入っている。人のことはよく見える。
やせ男
……
🧍
🧔
肩幅の広い男
前の着物やめたの、なんで?また戻った感じあるけど、今のも似合わなくはないよ。
🧔
肩幅の広い男
この人、前に一回ちゃんと着替えて出てきたからね。今後も着替え続けるよう、みんな応援よろしく。
🗣️
客たち
いいぞー! / いやもっと厳しく! / 身内に甘いぞー!
※文学サロン、拍手と野次が同時に飛ぶので情緒が忙しい。
やせ男
……失礼します。
🧍
🏚️ 場末の二階家に帰宅
👘 家じゅうにいろんな着物が吊ってある
やせ男
……服は、いくらでもあるんだけどな。
🧍
🛡️ 中には鎖かたびらや鎧まである
※タンスの守備力が高すぎる。
やせ男
……ふう。
🧍
🚬 あぐらをかいて一服
※何か名言っぽいことを言いそうな空気だけ残して、夢はここで強制終了。いちばん惜しいやつ。
  • 評価する側も評価される側も、みんな服で正体が出る
  • 表現は着替えでもあり、鎧でもある
  • 他人の見立てより、自分の着心地が最後に残る

芥川竜之介『着物』のあらすじ

夢の中で、たくさんの人々が集まる座敷では、互いの着物を見て勝手な批評が飛び交っていた。末席には古びた黄色い着物を着たやせた男がいて、若い先生や豪傑、肩幅の広い男から次々に評されるが、ほとんど言い返さない。やがて彼はその場を去り、さびれた家へ戻る。そこには多種多様な着物や、まるで戦いのための装備のようなものまで吊るされていた。

着物』の作者について

芥川龍之介は大正期を代表する小説家で、『羅生門』『鼻』『地獄変』などで知られる。鋭い知性とアイロニーを生かし、人間心理や芸術観を短い作品の中に凝縮して描いた。この『着物』は、服をめぐる夢の形を借りながら、作風や批評、文学者同士の視線を風刺的に映した掌編として読める。

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