Monogatalk物語 × 対話

走れメロス

太宰治

信じる価値なんてあるのか――極限まで追いつめられた男の疾走が、その問いにまっすぐ答えてくる。
🌃 シラクスの町、なんか空気が重い
メロス
妹の結婚式の買い出しで来たのに、町しずかすぎん? 前こんな感じじゃなかったよな
🐑
👴
老人
王さまが誰も信じなくなってな…人を次々に処罰してるんだよ
メロス
え、治安どうなってんのそれ
🐑
※政治の細かいことはわからない。でも理不尽センサーだけは超高性能。
メロス
よし、その王、放っておけん
🐑
🏰 勢いで王城に直行
👑
ディオニス
で、その短い刃物で何するつもりだった?
メロス
町をあんたから救うつもりだった
🐑
👑
ディオニス
人は信じたら負けなんだよ。みんな自分のことしか考えてない
メロス
いや、それ疑いすぎ。しんどい生き方してるな
🐑
👑
ディオニス
はい、おまえ処刑
メロス
待ってくれ、妹の結婚式だけはやらせたい。3日で戻る
🐑
👑
ディオニス
戻るわけないだろ。そういうの、だいたい逃げるやつ
メロス
じゃあ親友を人質に置いていく。セリヌンティウスって石工だ
🐑
👑
ディオニス
おもしろい。日暮れまでに帰らなかったら、その友だちが代わりね
※王、完全に「どうせ帰ってこないでしょ」モード。
🌌 深夜、親友と再会
🪨
セリヌンティウス
事情はわかった
メロス
すまん。絶対戻るから
🐑
🪨
セリヌンティウス
うん。待ってる
※説明が短くても成立するのが本物の親友。
🏡 村に帰還、即・結婚式準備
👧
お兄ちゃん、顔色やばいけど大丈夫?
メロス
大丈夫大丈夫。明日、結婚式やろう。衣装もごちそうも買ってきた
🐑
👧
えっ、急だけどうれしい…!
💒 式はなんとか開催
メロス
おめでとう。夫婦で隠し事はなしな。疑うのも、うそつくのもよくない
🐑
🌿
花婿
急だったけど、よろしく頼む兄さん
※自分は命がけの約束を背負ってるのに、祝宴ではちゃんと兄をやる男。
メロス
……このまま村にいたい気持ち、めっちゃある
🐑
メロス
でも行く。約束したから
🐑
🌧️ 翌朝、雨の中を出発
メロス
待ってろセリヌンティウス。今日はあの王に、人を信じるってどういうことか見せる
🐑
🌊 ……と思ったら川が大増水
メロス
橋ないんだけど!? うそだろ!?
🐑
メロス
頼む、静まってくれ…って言ってる場合じゃないな。泳ぐしかない
🐑
※約束を守る男、判断が毎回パワー型。
💦 激流を突破
メロス
しんど……でもまだ終われん
🐑
⛰️ 峠で行く手をふさぐ集団
🧱
山賊
止まれ。持ち物置いてけ
メロス
今それどころじゃない! こっちは締切が命がけなんだよ!
🐑
🧱
山賊
知らん
※世の中、事情を聞いてくれない相手、多い。
⚔️ なんとか突破
メロス
はあ、はあ……もう足が終わった……
🐑
🌿 草むらに倒れこむ
メロス
ここまでやったんだし、もう許されないか……? いや、でも……
🐑
※ついに心が折れかける。勇者でも、しんどい時はしんどい。
メロス
セリヌンティウス、ごめん……
🐑
💧 すぐそばで水の音
メロス
泉…! 助かった……
🐑
メロス
そうだ、あいつは疑わず待ってる。なら俺が止まるわけにいかない
🐑
メロス
走れ、メロス。ここで自分に負けるな
🐑
🌇 夕日が沈みかける
🔨
フィロストラトス
メロス様! もう間に合わないかもしれません!
メロス
まだ沈みきってない
🐑
🔨
フィロストラトス
でも、あの方はずっとあなたが来るって信じてました
メロス
だから走るんだよ。信じられてるから、走るんだ
🐑
※名言、走りながら出ました。
🏃 黒い風みたいなラストスパート
メロス
待てーーー!! その人じゃない、約束したのは俺だ!!
🐑
🕰️ 刑場に飛び込む。ぎりぎり到着
🪨
セリヌンティウス
……来たな、メロス
メロス
遅れかけた。途中で心が弱くなった。だから殴ってくれ
🐑
🪨
セリヌンティウス
じゃあ遠慮なくいくぞ
💥 友情のビンタ、着弾
🪨
セリヌンティウス
今度はお前が俺を殴れ。実は一回だけ、お前を疑った
メロス
お互いさまかよ……よし、いくぞ
🐑
💥 もう一発、対等のビンタ
メロス
ありがとう、友よ
🐑
🪨
セリヌンティウス
こっちこそだ、友よ
※友情確認の方法が熱すぎる。
👑
ディオニス
……本当に戻ってきたのか
👑
ディオニス
信じるって、空っぽのきれいごとじゃなかったんだな
👑
ディオニス
頼む。わたしもおまえたちの仲間に入れてくれないか
🎉 群衆どよめきからの大歓声
🪨
セリヌンティウス
メロス、とりあえずそのマント着ようか
メロス
🐑
※全力疾走しすぎて服のこと、最後まで忘れてた。
  • 信頼は人を立ち上がらせる
  • 約束は自分の弱さとの勝負
  • 疑いを超える友情は強い

あらすじ

村の牧人メロスは、疑い深い王ディオニスの圧政を知って激怒し、王を倒そうとして捕らえられる。処刑を前に、妹の結婚式を済ませるため三日の猶予を願い、親友セリヌンティウスを人質として都に残して村へ帰る。式を終えたメロスは約束を守るため王城へ急ぐが、増水した川や道中の妨げ、そして自分自身の弱さに苦しめられる。それでも親友の信頼に背を押され、日没迫る刑場へ向かってひたすら走り続ける。

作者について

太宰治は昭和を代表する小説家で、人間の弱さや自意識を鋭く描いた作品で広く読まれている。『人間失格』『斜陽』などで知られる一方、『走れメロス』は古代の伝承やシラーの詩をもとに、友情と信頼を力強く打ち出した作品として特に親しまれている。太宰作品らしい人間の揺らぎを残しつつ、まっすぐな情熱が前面に出た点が、この作品の大きな魅力である。

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