鸚鵡
火と群衆にのみこまれた街で、孫を探し続ける老人の不安と執着が、鸚鵡一羽の存在とともに胸に残る。
🏚️ 大地震のあと、本所横網町
鐘大夫
家はつぶれてない…が、近所が燃えてる!まずい!
👴
👧
孫娘
おじいちゃん、早く逃げよう!
鐘大夫
持ってくのは…これだな。五郎のかご
👴
🦜
五郎
ナアル
※家財より先に鸚鵡。愛が深いのか判断が極限なのか、もう両方である
🏃 両国から人形町へ、避難民で大混雑
鐘大夫
えっ、孫がいない!? はぐれた!?
👴
鐘大夫
探したい…でも人が多すぎる
👴
※人の波、荷物の山、心配はカンスト。しかも手元にはずっと鸚鵡
👒
避難中の女
あら、うちと似た感じのかご持ってる人いると思ったのよ
※火事の最中でも会話が成立する人、ちょっと強い
🔥 鎧橋付近、片側が火の海
鐘大夫
顔が焼けるかと思うほど熱い…しかも人に押される…
👴
鐘大夫
五郎のかご、つぶれないでくれよ…!
👴
🦜
五郎
ガチャガチャ! ナアル!
※鸚鵡も完全に情緒が非常ベル
🌆 丸の内、空は火事で真っ赤
鐘大夫
孫よー!どこだー!
👴
鐘大夫
名前を呼んでも返事がない…
👴
🌲 松の陰で野宿
🦜
五郎
ナアル
※励ましなのか煽りなのか、本人にもたぶんわからない
☀️ 翌日も捜索継続
鐘大夫
両国や人形町に戻る気にもなれない…とにかくこの辺を探す
👴
鐘大夫
喉が…もう限界だ
👴
💧 池の水を飲む
※非常時、人はだいたい想定外のサバイバルを始める
鐘大夫
夜もかごを枕元に置いとくか…盗まれたら困る
👴
※周囲の切迫感が高すぎて、警戒心も休めない
🛣️ 三日目、新宿の甥を頼ろうとする
鐘大夫
新宿も焼けたって? じゃあ谷中の寺へ…
👴
鐘大夫
腹も減ったし、喉もからからだ…
👴
鐘大夫
五郎は手放したくない。でも、もし弱ったら…いや、考えるのもしんどい
👴
🍚 玄米を少しもらう
鐘大夫
助かった…生のままでも食べるしかない
👴
※文明が一気に遠のくと、米はもう主食というより希望
鐘大夫
このままかご下げて寺に行くのもな…
👴
鐘大夫
五郎、残りの米を食べな
👴
🦜
五郎
ナアル
🌇 九段のほとりで五郎を放つ
鐘大夫
元気でな…
👴
※極限の中の別れは、短いひと言ほど重い
🛕 谷中の寺に到着
🧑
和尚
まあまあ、しばらくここにいなさい
鐘大夫
ありがたい…でも孫の行方がまだわからない
👴
🚪 五日目、知人宅へ
鐘大夫
まだ孫の居場所はわからなくてね…
👴
※粋だった師匠も、さすがにやつれている。そりゃそうである
📩 のちに判明
✍️
語り手
甥の家は無事で、孫娘もそこへ避難していた
※救いが来るの、遅い。でも来るだけ本当にありがたい
- ▶災害は人を一瞬で引き離す
- ▶極限では大切なものがむき出しになる
- ▶小さな救いが最後に心を支える
芥川竜之介『鸚鵡』のあらすじ
大地震のあと、一中節の師匠・鐘大夫は、孫娘とともに避難する途中で彼女とはぐれてしまう。手元に残ったのは、五郎という鸚鵡の入ったかごだけだった。火災の広がる東京をさまよいながら、丸の内や日比谷で孫を探し続けるが、飢えと渇きは日ごとに深まっていく。やがて寺を頼るために鸚鵡を放し、憔悴しきった末に、後から孫娘の無事が知らされる。
『鸚鵡』の作者について
芥川竜之介(1892-1927)は、大正期を代表する小説家で、『羅生門』『鼻』『地獄変』などで知られる。関東大震災の体験や見聞は彼に強い印象を残し、本作のような「大震覚え書」では、虚構よりも記録に近い切迫した筆致が際立つ。短い文章の中に、人間の心理と都市災害の現実を鋭く刻みつける作風がよく表れている。
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