Monogatalk

「仮面」の人々

芥川竜之介

若い日に出会った仲間たちとの気配や距離感が、時間をへてしみじみ立ち上がる一篇。
📚 学生時代の思い出トーク
学生のころ、僕は「新思潮」の人たちとかなり仲よかったんだよね
🧑
で、作家になる気なんて別になかったのに、気づいたら作家になってた
🧑
※だいたい交友関係のせいにしている
まあ全部あいつらのせい、って言いたいけど、早稲田の連中の影響もあった気がする
🧑
🎭 同人雑誌「仮面」のメンバー
その連中っていうのが、日夏耿之介、西条八十、森口多里たちね
🧑
👓
山宮允
今度、西条くんの家行こうぜ
行った行った。赤い笠のランプがある客間で、ちょっと雰囲気ありすぎだった
🧑
🎩
西条八十
どうぞどうぞ、ゆっくりしてって
そこで日夏くんや森口くん、それに吉江弧雁さんにも会ったんだよね
🧑
🪶
吉江弧雁
よろしく
何を話したかは、もうほぼ覚えてないんだけどさ
🧑
怪談が出た夜に、雨の大久保を一人で帰ったのだけはめっちゃ覚えてる
🧑
※話の内容は消えたのに、帰り道のこわさだけ鮮明。人の記憶、そこだけ高画質。
🏠 その後しばらく時が流れる
でもそのあと、西条くんや森口くん、吉江さんとはずっと会ってないんだ
🧑
日夏くんとは、鎌倉にいたころはたまに行き来してたけどね
🧑
🌿
日夏耿之介
近くに引っ越したから、また来なよ
🌬️ 鎌倉の借家あるある
日夏くんの八畳の部屋さ、障子を全部閉めても床の間の壁から風が入ってくるんだよ
🧑
🌿
日夏耿之介
閉めた意味どこいった?
※家は守りが甘いのに、文学談義はやたら堅い。
あれはちょっとおかしかったな
🧑
🕰️ さらに時間が流れる
でも鎌倉を離れてからは、日夏くんともなんとなく疎遠になった
🧑
みんな元気にはしてるみたいだけど
🧑
日夏くんは今も詩の長い文章を発表してるらしい
🧑
あの原稿を書いてる部屋には、もう床の間から風なんて入ってこないんだろうな
🧑
※昔のすきま風まで思い出になるの、ちょっとずるい。青春はだいたい後から効いてくる。
  • 若い日の交友が人生を変える
  • 記憶に残るのは会話より空気感
  • 疎遠になっても思い出は消えない

芥川竜之介『「仮面」の人々』のあらすじ

語り手は学生時代、「新思潮」や同人雑誌「仮面」の仲間たちと親しく行き来していたことを振り返る。日夏耿之介、西条八十、森口多里らと交わった日々は、自分が作家になる遠因だったかもしれないと半ば冗談めかして語られる。西条の家の赤いランプの客間や、怪談のあと雨の夜道を帰った記憶など、当時の空気が印象深く残っている。その後は多くの友人と疎遠になるが、鎌倉での日夏との往来や、風の入る借家の思い出が、懐かしさとともに静かによみがえる。

「仮面」の人々』の作者について

芥川龍之介(1892-1927)は大正期を代表する小説家で、『羅生門』『鼻』『河童』などで知られる。鋭い観察眼と洗練された文体を持ち、晩年には随筆や回想的な文章も多く残した。この作品は、文学青年時代の交友を軽いユーモアと哀感をまじえて振り返った短い随想で、同時代の文学仲間との距離感がよく表れている。

青空文庫で原文を読む →

このサイトのコンテンツは AI により生成されています。作品理解の「入り口」としてお楽しみください。