教訓談
笑って聞き流しがちな昔話の裏に、人間の残酷さと本能の危うさがひそんでいると気づかされる。
📚 芥川、いきなり昔話を再解釈し始める
語り手
ちょっと聞くけど、人が人の肉を食べた話って知ってる?
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🙂
読者
初手から重っ
語り手
いや、遠い国の飢えの話じゃない。ずっと昔の日本の話。
🖋️
語り手
食べたのはおじいさん、食べられたのはおばあさん。
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※急に民話の地雷を踏ませにくるスタイル
🙂
読者
え、どういうこと?
語り手
全部、狸のたくらみ。おばあさんを殺して、化けて、夫にその肉を食べさせた。
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🙂
読者
うわ……それ、あの話?
語り手
そう、『かちかち山』。
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🙂
読者
え、あれって昔話の定番じゃん。ちょい怖くらいでしょ?
語り手
ちょい怖いで済ませるな。夫が妻の肉を食べさせられる話だぞ。
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※童話フィルターを外すと急に空気が冷える
語り手
でもね、ただ怖いだけじゃない。これ、かなり気の利いた教訓なんだよ。
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🙂
読者
教訓? どこが?
語り手
人は油断すると、とんでもないことをする。自分の中の獣に負けるから。
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🙂
読者
急に自分ごとになってきたな……
語り手
しかも最後は狸がやられるだろ。
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🔥 背中が燃える狸
🛶 泥の舟で沈む狸
語り手
あの狸を倒すの、兎なんだよ。つまり獣を滅ぼすのも、また獣。
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🙂
読者
え、そこまで読んでたの? かちかち山に?
※昔話を軽く見てた側、急に反省会へ
語り手
そう思うと、妙に重々しい感じがするんだ。
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語り手
獣は獣に滅ぼされて、そのあとで人間が栄える。
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🙂
読者
なんか哲学っぽくなってきた
語り手
こういう話、哲学者が聞いてもニヤッとすると思う。
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🙂
読者
でもさ、やっぱちょっと考えすぎじゃない?
語り手
まだ笑うの?
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語り手
まあ、笑えばいいさ。
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語り手
その耳、もしかして狸の耳かもね。
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※最後の一撃だけ妙におしゃれで刺さる
- ▶昔話は意外と怖い
- ▶人の中にも獣はいる
- ▶笑って流すと見落とす
芥川竜之介『教訓談』のあらすじ
語り手は『かちかち山』を取り上げ、ただの昔話として笑うべきものではないと語りかける。狸がおばあさんを殺し、その肉をおじいさんに食べさせる筋を示しながら、そこに人間の内側にある獣性を見る。さらに、狸を倒すのもまた兎という獣である点に注目し、この話の深い皮肉と教訓を読み取っていく。最後に、そんな意味を感じ取れずに笑っている相手へ、鋭いひと言を投げかけて締めくくる。
『教訓談』の作者について
芥川龍之介(1892-1927)は大正期を代表する小説家で、『羅生門』『鼻』『地獄変』などで知られる。古典や説話を現代的な知性で読み替える手腕に優れ、この作品でも有名な昔話を素材にしながら、人間心理と文明への皮肉を短く鋭く描いている。『教訓談』は晩年に近い時期の随想的な一篇で、芥川らしい批評精神が濃く表れている。
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