岩野泡鳴氏
売れ行きの話で一瞬ぐらついても、最後は堂々と自分を信じ切る作家の強烈なキャラが光る。
🚋 秋の夜更け、巣鴨行きの電車
僕
今夜は岩野泡鳴氏と電車で同席中。なんか圧が強い。
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🎩
岩野泡鳴氏
西洋の花はね、育て方にコツがあるんだよ。あと胃を元気にする方法も大事。
※移動中の雑談にしては、急に情報量が多い。
🎩
岩野泡鳴氏
ところで最近評判のあの小説、売れてるらしいね。
僕
そうみたいですね。かなり話題ですし。
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🎩
岩野泡鳴氏
でもさ、新人作家って言っても、そんなに本は売れないだろ?
🎩
岩野泡鳴氏
僕の本はだいたい結構出るけど、君の本は何部くらい?
僕
え、そこ聞きます? まあ…この前の本はそれくらいです。
🧑
🎩
岩野泡鳴氏
みんなそんなものかね?
僕
いや、もっと売れてる人もいますよ。何人か思い当たります。
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🎩
岩野泡鳴氏
へえ。例えば?
僕
あの人とか、この人とか。その作品は、たぶんかなり出てます。
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🌫️ 一瞬、空気が曇る
🎩
岩野泡鳴氏
そうかね。思ったより売れるな。
※自信満々の人にも、数字はわりと効く。
僕
……
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✨ しかし即復活
🎩
岩野泡鳴氏
まあでも、僕の小説は難しいからな。
※最強の自己防衛ロジック、ここに完成。
僕
なるほど、そう来ましたか。
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🎩
岩野泡鳴氏
売れ行きだけじゃ測れないものがあるんだよ。
僕
たしかに、その前向きさはかなり強いです。
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※肩書きは人が決める。でもこの楽天ぶりは、もはや作品。
- ▶自信の強さはひとつの才能
- ▶人は都合よく前向きにもなれる
- ▶作家の個性は会話にも出る
芥川竜之介『岩野泡鳴氏』のあらすじ
語り手の「僕」は、秋の夜更けに岩野泡鳴氏と巣鴨行きの電車に乗り合わせる。泡鳴氏は草花の育て方や健康法を勢いよく語ったあと、話題を小説の売れ行きへ移し、僕の本がどれくらい売れるのかを尋ねる。僕がほかの新進作家たちの好調な売れ行きを伝えると、泡鳴氏は一瞬だけ表情を曇らせる。だがすぐに立ち直り、「自分の小説は難しいからだ」と言い放ち、その楽天的な人柄を強く印象づける。
『岩野泡鳴氏』の作者について
芥川龍之介は大正期を代表する小説家で、『羅生門』『鼻』『河童』などで知られる。鋭い観察眼と簡潔な文体を生かし、虚構だけでなく同時代の文士を描いた短い随筆や人物スケッチにも優れた作品を残した。この作品では、自然主義文学で知られる岩野泡鳴の個性を、ユーモアと敬意をまじえて鮮やかに切り取っている。
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