飯田蛇笏
最初はわからなかった才能が、自分で作る側に回った瞬間に急に見えてくる――そんな鑑賞の変化が面白い。
🌙 木曜の夜、文壇おしゃべり会
芥川
で、その飯田蛇笏って誰? 有名なの?
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📚
赤木桁平
有名どころか、かなりすごい。句、今すぐ言えるよ
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赤木桁平
ほら、こんな感じ。どう? しみるでしょ?
芥川
うーん、正直そこまで刺さらん
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※初手から感想がわりと辛口
📚
赤木桁平
君、俳句わかってないだけでは?
芥川
言い方よ
🖋️
📖 俳句雑誌もチェック
芥川
雑誌でもめっちゃ褒められてるなあ
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芥川
でも今のところ、まだピンと来ない
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※世間の高評価と自分の感想、きれいに不一致
✍️ しばらくして、自分も俳句を作り始める
芥川
あれ、この蛇笏の句……急にすごくない?
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芥川
前と言ってること違うけど、これは認めるしかない
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※人は自分でやってみると急に見え方が変わる
芥川
しかも影響まで受けて、自分の句までちょっと蛇笏っぽくなってきた
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芥川
いやー、やっぱ蛇笏いいわ
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赤木桁平
ほら見ろ。結局認めたじゃないか
芥川
いや待て、最初に君の引用が微妙に違ってたのも悪いからな?
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※読ませ方ひとつで名句も損する。プレゼン大事
☕ さらに年月がたつ
🧑
俳句青年
この前、蛇笏を見ましたけど、かなり偉そうでしたよ
芥川
へえ、むしろ頼もしいな
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🧑
俳句青年
そこ、好感ポイントなんです?
芥川
皆に無難に好かれるより、少し尖ってる人のほうが信用できる時あるじゃん
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※褒めているのか自分を重ねているのか、たぶん両方
✉️ ついに本人と手紙のやりとりへ
芥川
蛇笏君から手紙きた。字も文もシャキッとしてる
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芥川
なるほど、これは『ちょっと強そう』って言われるのもわかる
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🏔️
飯田蛇笏
句、また作っていますか
芥川
作ってはいる。でも久しぶりだと、すぐ悩む
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芥川
昔みたいに勢いよくは作れないんだよなあ
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※文豪でも普通にスランプはある
芥川
でも下手は下手なりに、作ること自体を楽しめばいいか
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芥川
最近の句、よかったら見て。笑ってくれてもそれはそれで嬉しい
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🏔️
飯田蛇笏
句は、楽しみながら続けるのがいちばんです
- ▶評価は経験で変わる
- ▶本物はじわじわ効く
- ▶創作は上手さより楽しさ
芥川竜之介『飯田蛇笏』のあらすじ
語り手はある夜、赤木桁平から飯田蛇笏の俳句を強く勧められるものの、その時は良さがわからず否定的な感想を持つ。ところが自分でも俳句を作るようになると、蛇笏の一句に強く打たれ、評価を大きく改めていく。周囲から聞く蛇笏の人物評にも独特の魅力を感じ、やがて本人と手紙を交わすようになる。作品の終盤では、創作の難しさを実感しつつも、句を作る楽しさに落ち着こうとする心境が語られる。
『飯田蛇笏』の作者について
芥川龍之介(1892-1927)は『羅生門』『鼻』『河童』などで知られる大正期の代表的作家で、鋭い知性と皮肉をまじえた文章に特色がある。この随筆では小説家としての顔とは少し違い、俳句への関心や同時代の文人との交流、鑑賞眼の変化が軽やかに語られている。夏目漱石門下の人間関係や、当時の俳壇の空気をのぞける点でも興味深い一篇である。
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