格さんと食慾
頭の切れる友人を絶賛していたはずが、いつの間にか顔つきから妙な食欲まで語り出す、観察眼のクセが全開になる一篇。
☕ 文士どうしの雑談タイム
芥川
宇野さんって、ほんと頭いいし、感受性も高いんだよな
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芥川
しかも変に熱くなりすぎない。そこがまた妙に魅力ある
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※褒めてる。褒めてるのだが、もう少しで変な方向へ行く気配しかしない
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宇野浩二
なんか今日、評価コメント長くない?
芥川
君ってさ、喜劇っぽい空気あるのに、自分をごまかさない感じあるよね
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🎻
宇野浩二
急に深いな
芥川
あと、三味線ひいてる時の君、もう完全に“浩二さん”じゃなくて“格さん”なんだよ
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🎻
宇野浩二
格さん認定きた
※ここまではまだ平和。問題はこの次である
芥川
で、君の顔を見るたび、なぜか食欲がわくんだよね
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🎻
宇野浩二
待って。褒め言葉の着地そこ?
芥川
頬から耳のあたりとか、なんかこう、いい感じに料理できそうで
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🎻
宇野浩二
料理目線で人の顔見ないで
※観察眼が鋭い人、たまに感想の出力先をまちがえる
芥川
赤みと脂のバランスは悪くない気がするんだけど
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🎻
宇野浩二
急に品評会始まった?
芥川
ただ、もみあげはちょっと難点かも。煙草のにおいが強そう
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🎻
宇野浩二
人の顔をそこまで具体的に味の想像することある?
🥩 脳内だけ妙にグルメ
芥川
いやでも、こういう変な連想をさせる顔って、文学的に強いよ
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🎻
宇野浩二
その“文学的に強い”の便利ワード感すごいな
芥川
要するに、君は見れば見るほど味があるってこと
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🎻
宇野浩二
“味がある”が今日はだいぶ危うい意味なんだよ
※人物評のはずなのに、途中から食レポが混線している
芥川
最後に短歌っぽくまとめたくなる顔でもある
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🎻
宇野浩二
まとめ方まで独特すぎる
- ▶人物観察が異様に細かい
- ▶褒め言葉と奇妙な連想は紙一重
- ▶文士の友情はだいたい癖が強い
芥川竜之介『格さんと食慾』のあらすじ
語り手は宇野浩二を、聡明で感受性が豊かでありながら、むやみに熱くならない魅力的な人物として紹介する。とくに本名の「格二郎」らしい風貌や、三味線を弾く姿に独特の味わいを見いだしている。しかし話は次第に奇妙な方向へ進み、宇野の顔を見ると食欲を覚えるという、突飛な連想まで飛び出す。人物評でありながら、親しみと毒気とユーモアが入り混じった、非常に芥川らしい文章になっている。
『格さんと食慾』の作者について
芥川龍之介(1892-1927)は大正期を代表する作家で、『羅生門』『鼻』『地獄変』などで知られる。鋭い知性と緻密な文体に加え、同時代の作家や身辺の人物を描く随筆でも独特の皮肉とユーモアを発揮した。この作品は、作家・宇野浩二への観察と親愛を、少し意地悪なくらい鮮やかな比喩で綴った短いエッセイである。
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