注文の多い料理店
親切そうな言葉に誘われて足を踏み入れた先で、立場がするりと逆転していく不気味さがクセになる。
⛰️ 山奥で狩り中。だいぶ嫌な空気。
紳士A
今日は何でもいいから獲物ほしいな。景気よく一発いきたい。
🎩
🧥
紳士B
わかる。鹿とか出たら最高なんだけど。
※テンションは高いが、山はまったく歓迎していない。
🐕 連れていた犬が急に倒れる
紳士A
え、うちの犬が…高かったのに…
🎩
🧥
紳士B
こっちもだよ。損失えぐい。
※まず心配する順番がちょっと独特。
紳士A
もう帰ろう。寒いし腹減ったし、普通にごはん食べたい。
🎩
🧥
紳士B
賛成。でも帰り道どっち?
🌬️ 風が鳴る。完全に迷子。
紳士A
お腹すきすぎて横腹痛い…
🎩
🧥
紳士B
もう歩きたくない…何か食べたい…
🏠 突然、立派な西洋風の家が現れる
紳士A
見て!レストランある!助かった!
🎩
🧥
紳士B
山奥すぎて逆にこわいけど、今は食欲が勝つ。
🚪 入口の札『どうぞお入りください。遠慮はいりません』
紳士A
無料っぽくない?世の中まだ捨てたもんじゃない。
🎩
※空腹の人間は都合のいい解釈をしがち。
📜 『太った方や若い方、大歓迎』
🧥
紳士B
え、俺たちめっちゃ歓迎されてるじゃん。
紳士A
完全に上客ってことだな。気分いい。
🎩
🚪 『当店は注文の多い料理店です』
🧥
紳士B
人気店ってことか。まあ待つのは仕方ない。
🪞 『髪を整え、靴の泥を落としてください』
紳士A
ちゃんとしてる店だな。格式高そう。
🎩
🔫 『鉄砲と弾を置いてください』
🧥
紳士B
まあ食事中に鉄砲はいらないか。
🧥 『帽子、外套、靴をお取りください』
紳士A
脱がせるねえ。でも奥にすごい客がいるのかも。
🎩
🗄️ 『金物類や尖った物はここへ』
🧥
紳士B
料理に何か機械でも使うのかな。財布まで預けるの、ちょい気になるけど。
※気になるなら普通は止まる。だが二人は空腹である。
🥛 『クリームを顔や手足に塗ってください』
紳士A
乾燥対策かな。高級店って細かいな。
🎩
🧥
紳士B
残った分、ちょっとなめてみた。普通にうまい。
※だんだん料理される側の動きになってきた。
👂 『耳にもよく塗りましたか』
紳士A
うわ、配慮が細かい。耳まで気にしてくれる。
🎩
🧴 『香水を頭によく振りかけてください』
🧥
紳士B
これ香水っていうか、めっちゃお酢っぽい匂いしない?
紳士A
入れ間違いじゃない?たぶん。たぶんね。
🎩
🧂 『体中に塩をよくもみ込んでください』
紳士A
……待って。これ、客へのお願いじゃなくない?
🎩
🧥
紳士B
もしかして“料理を食べる店”じゃなくて、“料理にされる店”!?
※気づくのが遅い。クリームの時点で会議してほしかった。
🔒 奥の扉にはナイフとフォークの形。鍵穴から青い目。
🐈
山猫軒の中の声
お客さま、早くどうぞ。お皿も準備できてます。
🐈
山猫軒の中の声
サラダが苦手なら、焼くこともできますよ。
紳士A
無理無理無理。完全にこっちがメニュー。
🎩
🧥
紳士B
帰りたい…でも後ろの扉も開かない…
😭 二人、泣く
※さっきまで鹿のことを話していた人たち、今は完全に食材目線。
🐕 突然、死んだはずの犬たちが扉を破って突入
紳士A
え、犬!?生きてたの!?
🎩
🧥
紳士B
今それどころじゃないけど助かった!!
💨 家も部屋もふっと消え、二人は草むらに立っていた
🧔
猟師
旦那ー!こんなところで何してるんですか!
紳士A
いろいろあった…ほんとにいろいろ…
🎩
🧥
紳士B
とりあえず団子ください…生きてるうちに…
🍡 猟師の団子でなんとか落ち着く
※東京には帰れたが、顔だけはすっかりしわしわのまま。恐怖の美容効果、逆方向。
- ▶うまい話はだいたい怪しい
- ▶相手を食う気でいると自分が食われかける
- ▶表面の上品さにだまされない
あらすじ
山奥で狩りをしていた二人の若い紳士は、道に迷い、空腹と寒さの中で一軒の西洋料理店を見つけます。店の中には『遠慮なくお入りください』といった親切そうな案内が並び、二人は喜んで奥へ進んでいきます。しかし、髪を整え、持ち物を外し、体にクリームや香水をつけるよう求められるうちに、その“注文”の意味が少しずつ不穏に変わっていきます。やがて二人は、自分たちが客ではなく別の立場に置かれていることに気づき、恐怖の中で追いつめられていきます。
作者について
宮沢賢治(1896-1933)は岩手県出身の作家・詩人で、自然や人間の欲、祈りを独特の幻想世界の中に描いた。代表作に『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『セロ弾きのゴーシュ』などがある。『注文の多い料理店』は1924年刊行の童話集の表題作で、ユーモアと不気味さを交えながら、人間の思い上がりや文明人ぶった態度を鋭く風刺した作品として読み継がれている。