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大久保湖州

芥川竜之介

古本屋で見つけた一冊から、忘れ去られた批評家の鋭さと、才能が埋もれてしまう残酷さがじわじわ迫ってくる。
📚 秋の夜、古本屋の前
ん?『家康と直弼』、50銭。やっす
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しかも引き札つき。売る気あるのかないのか微妙だな
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※古本屋の棚には、ときどき時代に置いていかれた天才が混ざっている
なにこれ、『人の一生』おもしろ
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徳川家康
急ぐな。怒りは敵だ。やりすぎるより足りない方がまだマシ
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大久保湖州
いや、後ろに引くな。うまくいかない時は、昔うまくいった時を思い出せ
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大久保湖州
卑屈がいちばん敵。負けに慣れすぎるな。やる方が、やらないより上
※家康の処世訓に真正面からカウンターを入れる男、なかなか胆力がある
この人、ただの偉人オタクじゃないな
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大久保湖州
世間で褒められる人も、実物はそこまで大物じゃない。逆もまたある
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大久保湖州
人を見るなら、金の使い方と家でのふるまいを見ろ
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大久保湖州
初対面の家では、まず部屋を見る。次から変化を見る。そこに性格が出る
※観察眼が強すぎて、もう半分探偵である
💡 家で読書開始
序文、すごい人だらけじゃん。え、無名じゃなかったの?
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でも今ほぼ忘れられてるの、どういうことだよ…
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※有名人の推薦文が山ほどあっても、本そのものが読まれなければ静かに消える。出版界、わりと無情
もしかして大げさに持ち上げられただけ?
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…いや待て、本文めちゃくちゃ鋭いぞ
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大久保湖州
英雄って、立派な面とダメな面を並べれば見えるわけじゃない
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大久保湖州
その人の中で全部がつながって動いてる、その全体を見ないとダメだ
うわ、それだ。人間を部品で見てない
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大久保湖州
人は長所と短所のつぎはぎだ。でも、そのつぎはぎごと見てこそ人間だ
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大久保湖州
人を上から見るな。下からも見るな。その人の立場に立って見ろ
※急に批評の教科書みたいなことを言うのに、妙に血が通っている
🏯 湖州の家康論を読む
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大久保湖州
家康はただの完璧な英雄じゃない。欲もあるし、計算もあるし、でも全部まとめて家康だ
家康が急に生身の人間として立ち上がってきた…
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しかも俗っぽい話を書いてるのに、ただの下世話で終わらないのすごいな
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大久保湖州
人間は、きれいな面だけでも汚い面だけでもできてないからな
※伝記作者がやりがちな“偉人にちょっと欠点足して人間味です”を、湖州は軽く飛び越えていく
なのに、この人の名前、今ほとんど残ってないのか
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しかも大仕事の『井伊直弼伝』、完成前に終わったのか…つらい
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大久保湖州
志半ばで終わるのは、まあ、人生あるあるだ
※あるあるで片づけるには重いが、才能はしばしば締切より先に人生が尽きる
🪦 忘れられた才人を思う
才能があれば残る、って単純じゃないんだな
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読まれなかったら、天才でも古本屋の50銭になる
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でも、だからこそ今ここで紹介したい
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この静かな墓みたいな本に、いつかちゃんと花が集まるといいんだけどな
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  • 才能は評価と一致しない
  • 人を見るには全体を見よ
  • 忘れられた本にも再発見の瞬間がある

芥川竜之介『大久保湖州』のあらすじ

語り手は秋の夜、古本屋で大久保湖州の『家康と直弼』を見つけ、何気なく手に取る。読み進めるうちに、湖州が歴史上の人物を単純な英雄や悪人としてではなく、矛盾ごと抱えた「人間全体」として見抜く、並外れた批評眼の持ち主だと気づく。しかしその一方で、これほどの才能を持ちながら、湖州がほとんど忘れられている現実にも直面する。語り手はその薄命を惜しみつつ、埋もれた才人の存在を今あらためて世に知らせようとする。

大久保湖州』の作者について

芥川龍之介は大正期を代表する作家で、『羅生門』『鼻』『河童』などで知られる。鋭い観察眼と知的な文体を持ち、小説だけでなく評論や随筆でも独自の視点を発揮した。この作品は、忘れられた歴史家・大久保湖州を再評価しながら、文学や批評の世界で才能が正しく届くとは限らないという問題にも光を当てている。

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