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産屋

芥川竜之介

待ちきれずに覗いた先で思いもよらないものに出会う――期待と現実のズレが、ぞくっとするほど短く突き刺さる。
🌾 川べりの草むらで、男が産屋づくり中
よし、これで雨風はしのげるはず
🧑
どうか母子ともに無事でありますように…
🧑
※急に神頼み。もう心が完全にパパ
👩
七日目にまた来て。そこで子どもを見せるから
え、今日じゃダメ?めっちゃ気になるんだけど
🧑
👩
ダメ。七日待って
わ、わかった…父らしく待つ…
🧑
※聞き分けはいい。でも未練が顔に出てる
🛶 男、丸木舟で村へ戻る
七日って長すぎない?体感だと一年ある
🧑
📿 首の玉を一日ごとに一つ外して数える
あと六日…あと五日…これを心の支えにするしかない
🧑
※カウントダウン開始。待つだけなのに精神が削られるタイプ
🌅 日がのぼって、しずんで、またのぼる
六日目。もうムリ。好奇心が暴走してる
🧑
🌾 夕方、男がこっそり産屋へ近づく
静かすぎる…寝てるだけだよな?
🧑
※こういう時の『ちょっとだけ見る』、だいたい平和に終わらない
そーっと…ほんとにそーっと…
🧑
🚪 戸を開ける
あ、いる…あれが子ども…?
🧑
……え?
🧑
🐍 床の上にいたのは、七匹の小さな白い蛇
うわあああああ!!
🧑
※川の水までビビる絶叫。覗き見の代償が重い
✍️
語り手
……最近、自分の作品集を見るときも、ちょっとこの男みたいな気分なんだよね
※生まれてきたものが想像どおりとは限らない。創作あるある、急に神話で刺してくる
  • 待てと言われた時ほど見たくなる
  • 生まれたものは期待どおりとは限らない
  • 創作はときどき作者もびっくりする

芥川竜之介『産屋』のあらすじ

男は川辺の草を刈って、女のために出産のための小屋を作り、母子の無事を祈る。女は「七日目に来れば子どもを見せる」と言い、男は村へ帰ってその日を待つことになる。しかし男は待ちきれず、六日目の夕方にこっそり産屋をのぞきに行く。そこで彼が見たのは、想像していた赤子とはまったく違う、七匹の小さな白い蛇だった。

産屋』の作者について

芥川竜之介(1892-1927)は、大正時代を代表する短編小説の名手で、古典や説話をもとに人間の心理や不安を鋭く描いた。『羅生門』『鼻』などで知られ、簡潔な文体の中に強い象徴性を込めるのが特徴である。『産屋』は神話のようなかたちを借りながら、創作されたものが作者の予想を超えて現れる感覚をほのめかす、きわめて短い寓話的作品である。

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